Water Safety

水の「透明度」は安全を保証しない

野外水源に潜む、不可視な暗殺者たちの正体

Invisible Threat

Microbiological Risk Management

5月の美しい渓流。渇いた喉を潤すために手を差し出す前に、一度止まって考えてください。たとえ岩底まで透き通っていたとしても、その水一杯が、数日後の激しい下痢や嘔吐、あるいは数年後の内臓疾患の引き金になる可能性があります。**「サバイバルにおける水の安全」**は、見た目ではなく、上流で何が起きているかという推論によって決まります。

1. 微生物:生水の主犯格たち

● ピロリ菌・大腸菌:

動物の糞尿から混入。たとえ上流に村がなくても、シカやイノシシ、クマが水源近くで生活していれば、細菌汚染は免れません。

● エキノコックス:

主に北海道で注意されますが、キツネ等の糞を通じて蔓延。寄生されると数年から十数年の潜伏期間を経て重篤な肝機能障害を引き起こします。煮沸(100℃で1分以上)以外では死滅しません。

2. 重金属:フィルターでも防げない罠

携帯浄水器(ホローファイバー膜)は細菌は取り除けますが、**「水に溶け込んだ物質」**は素通りさせます。

  • ● 廃鉱山の上流:目に見えないレベルでヒ素や鉛、カドミウムが溶出している可能性があります。
  • ● ゴルフ場・農地の側:5月は薬剤散布の季節。農薬や成分肥料が地下水を通じて潤沢に混じっています。

Survival Protocol: 「疑わしきは煮沸せよ」

浄水器を通した後、さらに**「1分間以上の沸騰」**を行う。これがサバイバルにおける水分確保の完全な解答です。ガスや薪が惜しくても、健康を損なう代償に比べれば安いものです。5月の移動中は、常に2リットルの「処理済み水」を携行し、生水への依存度をゼロにしておきましょう。

Science Over Appearance.

Nature does not care about your thirst. It follows the laws of chemistry and biology. Follow them too, and you shall live.