Gear Salvation

黒カビからの「救出」:テント再生術

5月の結露を甘く見た代償。生地を殺さず菌だけを殺す精密洗浄

Mold Eradication

Restoring Gear Integrity Since May

「一晩だけなら大丈夫だろう」…その油断が、数万円するテントをゴミに変えます。5月の撤収時に濡れたままバッグに詰めたギアは、わずか3日で黒い斑点(カビ)に覆われます。黒カビは繊維の奥まで食い込むため、完全に消すのは至難の業ですが、**「除菌」と「見た目の緩和」**なら可能です。

禁断の「塩素系」を避ける理由

カビ取り剤(カビキラー等)をテントに使ってはいけない理由は単純です。**「防水コーティング(ポリウレタン)を溶かし、生地の色を抜いてしまう」**からです。サバイバーが使うべきは以下の2つです:

【消毒用エタノール】
カビの菌糸を殺すのに有効。生地への攻撃性が低い。
【酸素系漂白剤】
時間をかけて色素を分解。繊維を傷めにくい。

精密洗浄のプロトコル

  1. 乾燥: まずは天日干しで完全に乾燥させます。カビの活動を休止させ、胞子が飛ばないようにします。
  2. エタノール拭き: 柔らかい布にエタノールを含ませ、叩くようにして菌を殺します。擦ると菌が繊維の奥へ入るので注意。
  3. 重曹ペースト: 落ちない汚れには重曹を少量の水で練って塗り、1時間放置後に優しく洗い流します。
  4. 煮沸(コットン・TC限定): 化学繊維は溶けますが、綿100%であれば熱湯をかけるのが最も確実な殺菌法です。

Survival Check: 臭いが消えない場合は「重曹水」ドブ漬け

カビの斑点が消えても「カビ臭」が残る場合、菌の死骸や老廃物が残っています。ぬるま湯に重曹を溶かし、テントを丸ごと一晩浸けてください。その後、驚くほどしっかり濯いで完全に乾かすことで、ギアに生命が戻ります。

メンテナンスは最高の防災

新しい道具を買うのは簡単です。しかし、使い古した道具の「黒ずみ」を消し、再びフィールドへ連れ出すことは、道具との信頼関係を築くサバイバル精神の表れです。