シリコンによる「極限防水」の構築
安価なスプレーを「プロツール」に変える塗布の技術
SILICON
Surface Tension Hack
Modding Old Gear for the Rainy Season
数年使い込んだお気に入りのバックパック。生地はまだ丈夫なのに、雨が降るとすぐに水が染みて重くなる。そんな時は、ホームセンターで数百円で買える**「シリコンスプレー」**が救世主になります。しかし、間違った使い方をするとシミになったり、透湿性を奪ったりすることもあります。5月の湿気と雨に立ち向かうための、精密なコーティング術を伝授します。
フッ素系 vs シリコン系:どちらを選ぶか?
フッ素系(推奨)
油や汚れも弾き、通気性を損なわない。「ゴアテックス」などの高機能素材を使用している場合は、必ずこちらを選択してください。効果の持続時間は短めです。
シリコン系
とにかく撥水力が強い。繊維の隙間を埋めるため、通気性は落ちますが、強い雨への耐性は抜群です。コストパフォーマンスに優れています。
100%の効果を引き出す塗布手順
- 清掃と乾燥: 汚れの上から吹くと「汚れを封じ込める」ことになります。一度固く絞った布で汚れを落とし、完全に乾かします。
- 20cmの距離: 近すぎると「液だれ」してシミになります。一定の速さで手を動かしながら、ミストを纏わせるように吹き付けます。
- 「二度吹き」が鉄則: 一度に大量に吹くのではなく、薄く吹いて乾かし、もう一度吹くことで層を作り、強固な撥水膜を形成します。
- ファスナー部への恩恵: 実はここが重要。止水ジッパーでない通常のファスナー部分にシリコンを吹くと、滑りが劇的に良くなり、生地の噛み込みも防げます。
Survival Warning: 屋内での使用は危険
シリコンミストが床に付着すると、氷の上のように滑るようになり、転倒事故の原因になります。また、吸い込むと肺に甚大なダメージを与える可能性があります。必ず屋外で、風上を背にして作業してください。
Upgrade, Don't Replace.
新品のような輝きはなくても、自分の手で防水加工を施したザックには、唯一無二の愛着が宿ります。5月の太陽の下で準備を整え、雨の日もフィールドを自由に駆け巡りましょう。
