極限の「削ぎ落とし」洗濯:泥との戦い
水がない、電気がない。その時、一着の清潔な服が命を救う
Precision Washing
Minimal Water, Maximum Hygiene
浸水被害の片付けの最中、衣類は激しく汚れます。しかし、断水している場合にジャブジャブと水を使うことはできません。汚れたまま放置すれば皮膚疾患(感染症)のリスクが高まります。サバイバルにおいて、**「最小の水で最大の洗浄効果」**を得るための、科学的アプローチを学びましょう。
「汚れ」と「洗剤」の引き算
1. 泥の「乾燥」待ち
濡れた泥を無理に洗うと、繊維の奥まで粒子が入り込みます。時間に余裕があれば一度乾かし、軽く叩いて泥(固形物)を徹底的に落としてから水分を与えます。
2. ポリ袋洗濯法
丈夫なポリ袋に服と少量の水、一滴の洗剤を入れ、袋の上から揉みます。バケツを使うより水の接触効率が上がり、使用量を1/3に抑えられます。
魔の「分括(ぶんかつ)濯ぎ」:1Lの水を使いこなす
1Lの水を一気に使うのと、250mlずつ4回に分けて濯ぐのとでは、後者の方が圧倒的に洗浄率が高くなります(洗浄の級数法則)。
- 1. 洗剤成分を含んだ水分を、握力全開で絞り出す。
- 2. コップ1杯程度の水を全体にかけ、再び絞り出す。
- 3. これを数回繰り返すことで、残留洗剤濃度を対数的に下げることが可能です。
Survival Hygiene: 煮沸の代用
洗濯後も臭いが残る(菌がいる)場合、断水下では「アイロン(または温まった鍋の底)」を使います。濡れた状態で熱を当てることでスチーム殺菌を行い、生乾き臭と菌の増殖を封じ込めます。
「一着の乾いた服」が精神を救う
寒冷期の震災、梅雨時期の浸水。濡れて汚れた服は急速に体力を奪います。「洗うスキル」は、生存のための武器そのものです。
