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ムカデ咬傷:痛みを制する「43度の方程式」

冷やすのは逆効果!?毒の性質を突くサバイバル救急

Heat vs Venom

The counter-intuitive secret to relief

5月、湿度の上昇とともにムカデが屋内外で活発になります。あの激痛に襲われた際、多くの人が直感的に「氷で冷やす」という行動を取りがちですが、実はこれが**「痛みを長引かせる」**最大のNG行動です。サバイバル医学において、ムカデの毒を制するのは「冷気」ではなく「熱」なのです。

なぜ「43℃のお湯」なのか?

ムカデの毒(タンパク質成分)は、熱に弱いという性質を持っています。具体的には**「43度から45度」**の温度で熱変性を起こし、失活します。また、この温度域のお湯は毛細血管を広げ、毒の分解・排出を促すため、驚くほど早く痛みが引いていきます。

注意: 45度を超えると低温火傷のリスクがあります。「熱いが、火傷はしない」絶妙な温度を保つのがサバイバーの感覚です。

咬まれた直後の3ステップ・プロトコル

1

即座にお湯で洗浄

石鹸(弱アルカリ性)があれば、毒成分を中和するために念入りに泡立てて洗います。この際も、お湯の温度は43℃を維持します。

2

20分間の加熱継続

洗面器やポットのお湯を使い、最低でも20分間は患部を温め続けます。痛みが和らぐまで、中断せずに「熱を入れ続ける」ことが重要です。

3

最後の仕上げにのみ冷やす

十分にお湯で毒を無力化させた後、腫れが強い場合に限り、ステロイド軟膏を塗布した後に軽く冷やして炎症を鎮めます。

禁忌:最初に冷やしてはいけない理由

最初に氷などで冷やしてしまうと、血管が収縮し、毒液がその場に「凝固」してしまいます。結果として毒が分解されにくくなり、数日にわたって激しい痛みと腫れに苦しむことになります。**「痛ければ温めろ」**。ムカデに関してはこれが鉄則です。

野外での「お湯」確保

ムカデに咬まれるのは夜間、テント内が多いものです。枕元にシングルバーナーと少量の水を用意しておくこと。緊急時にお湯を沸かすスピードが、あなたの睡眠と健康を守ります。