Traditional Preservation / Year-round Foraging
「旬」を、
時間に刻み込め。
山菜の塩漬け保存:一年中、春の息吹を食卓に呼び戻す技術
The Engineering of Culinary Longevity
The Fact / 塩は最強のタイムカプセルである
冷凍技術のない時代から、人々は塩を使って季節を跨いできました。 高濃度の塩は、腐敗菌の繁殖を物理的に不可能にし、素材の食感を驚くほど瑞々しく保ちます。 ワラビを塩の山に埋め、重石をかける。 その静かな時間の重なりが、冬の寒空の下でも春の苦味を味わえるという、無上の贅沢を生み出します。 自給自足的なプレッピングの第一歩は、この保存の理を理解することから始まります。
Protocol / 失敗しない山菜塩漬けの工程
1
「下処理」:アク抜きと完全な水切り
塩に漬ける前に、丁寧なアク抜きを行います。そして一番の鍵は『水分』を残さないこと。せっかくの塩分濃度が薄まり、腐敗に繋がります。一晩かけてしっかりと陰干しし、表面をドライに保つのが鉄則です。
2
「積層」:塩と山菜のミルフィーユ
保存瓶や樽の底にたっぷりと塩を敷き、その上に山菜、さらに塩…。これを繰り返します。使用する塩は素材の重量の20%以上。減塩を考えず、保存を最優先する潔さが、長期安定した品質を担保します。
3
「塩抜き」:食べる直前の再生儀式
【重要】食べる時は、流水で何度も丁寧に塩を抜きます。水を変えながら一晩置くことで、かつてのシャキシャキとした食感と、仄かな春の香りが蘇ります。一年経っても失われない『命の味』を、噛み締めてください。
