浸水の境界線:防水バッグの真実
スペック表を信じるな、あなたの「巻き」を信じろ
Hydrostatic Pressure Challenge
Rolling Closure Seal Integrity Audit
カメラ、スマホ、予備の着替え。サバイバルの QOL(生活の質)と安全を支えるアイテムは、すべて「水」が弱点です。市販のドライバッグは確かに優秀ですが、水面に浮かべておくのと、落水の衝撃で沈むのとでは、かかる圧力が全く違います。今回は「3回巻き」の常識を疑う検証を行いました。
Audit: ロールトップの「3回」vs「5回」
実験の結果、水深1mに30分沈めた場合の浸水率は閉開部の精度に依存していました。
- ● 3回巻きの限界: 表面の撥水は完璧でも、強い力でバッグを「絞る」ような圧力がかかると、折れ目からじわりと湿気が侵入します。
- ● 空気を少し残すメリット: パンパンに膨らませると浮力は増しますが、内部からの圧力でシールが弱まります。少し空気を抜いて「遊び」を持たせ、ロール回数を4〜5回にするのが最も水圧に耐える設定でした。
- ● 二重化(バッグインバッグ): ジップロックに入れてからドライバッグ、という二重構造こそが唯一の「絶対保証」です。
Tactic: 「砂・塩」がシールを壊す
「開口部の清掃がメンテの核心」。 防水バッグの故障原因で最も多いのは、生地の破れではなく、開口部のゴムパーツやテープに付着した「砂粒」や「塩の結晶」です。これらが微細な隙間を作り、そこから毛細管現象で水を引き込みます。濡れた手で開け閉めする際も、常にこの清掃を怠らないのがサバイバル・ガジェットの一生の長さ(寿命)を決めます。
Essential Survival Rule: 浮くことを利用して「目印」にする
バッグに少しだけ空気を残しておけば、カヤックが転覆したり、激流でバッグを流されても、それは水面の「マーカー」になります。派手なオレンジやイエローのバッグを選ぶのは、ファッションではなく救助と回収を容易にするための戦術的判断です。万が一の際は、自分を浮かせ、中身を守り、場所を知らせる ―― ドライバッグは一人三役の救命具に変貌します。
Seal the Void, Trust the Roll.
あなたの最も大切なものは、この薄い膜一枚の向こうにある。
