塩の障壁:傷口の防水管理
海水は消毒薬ではない。傷を癒やすのは、徹底した「遮断」だ
🩹
Salinity Barrier Protocol
Hydrophobic Wound Shielding
「海水は傷を消毒してくれるから、そのままでいい」。これはサバイバルにおける危険な迷信です。海水には多量のヴィブリオ菌などの雑菌が含まれており、塩分は細胞の修復を遅らせます。海での裂傷は、即座に真水で洗浄し、物理的に海水を遮断することが鉄則です。
Protocol: 海辺での負傷「4ステップ処置」
- 1. 真水による徹底洗浄: 飲用水、あるいは予備の真水で傷口の塩分と砂を物理的に洗い流します。ここが最も重要です。
- 2. 水分を完全に拭き取る: 接着性を高めるため、傷の周囲を清潔なタオルやガーゼで乾燥させます。
- 3. 液体絆創膏または防水フィルム: 普段の絆創膏ではなく、医療用の防水フィルム(テガダーム等)や、液体絆創膏を使用します。
- 4. テーピングで補強: 粘着剤が海水で剥がれないよう、上からキネシオテープなどの布テープで「巻く」ように固定します。
Caution: 海洋細菌「ビブリオ・バルニフィカス」
「小さな傷跡からの劇症化に注意」。 夏場の暖かい沿岸域に生息する細菌は、傷口から侵入すると猛烈なスピードで組織を破壊することがあります。特に糖尿病などの持病がある方は要注意です。「指先のささくれ」程度の傷でも、海から上がった後に不自然な腫れや激痛を感じたら、一刻も早く医療機関を受診してください。
Essential Survival Rule: 現場に戻る前の「最終確認」
処置が終わったら、一度シャワーや水道水で傷口に水をかけ、漏れがないか確認します。「一滴の海水」が中に入れば、そこから炎症が始まります。もしマリンシューズやウェアで隠れる場所なら、ガーゼの上からサランラップを巻き、さらにダクトテープで固定する「二重遮断」が、厳しい現場での解です。
Clean with Water, Shield with Will.
負傷は敗北ではない。適切な処置が、あなたを再び戦列へと戻す。
