【道具の管理】冬用ギアの加水分解チェック:1年前のレインウェアがボロボロになっていないか?

1年ぶりの対面での悲劇

「さあ冬支度だ」と、昨年しまったレインウェアやテントを取り出した時、妙な酸っぱい匂いがしたり、生地の裏側がベタベタしていたり、白い粉がボロボロ落ちてきた経験はありませんか? それがポリウレタン(PU)コーティングの劣化現象、「加水分解」です。 空気中の水分と反応してコーティングが分解してしまう現象で、日本の高温多湿な環境では避けて通れません。もし雪山や暴風雨の中でこれが発覚すると、防水性が皆無のため、低体温症に直結します。

チェックすべきポイント

以下のアイテムを使用前に必ず点検してください。

  • レインウェア・ハードシェル: 裏地のシームテープ(縫い目の目止めテープ)が剥がれていないか?生地同士が張り付いていないか?
  • テント・タープ: フライシートの内側がベタついていないか?独特の銀杏のような臭いはしないか?
  • 登山靴: ポリウレタン製のミッドソールがボロボロになっていないか?(※靴の加水分解は最悪で、歩行中にソールが完全に剥がれ落ちます)
  • 防水バッグ(スタッフバッグ): 内側のコーティングが剥離していないか?

対策と延命術

軽度のベタつきの場合

重曹水に浸け置き洗いすることで、劣化したコーティングをある程度除去し、ベタつきを軽減できる場合があります(ただし防水性は落ちるので、再撥水処理が必要です)。 テントの場合は、ベビーパウダーをはたいてベタつきを抑える応急処置もあります。

重度の剥離・ソールの崩壊

残念ながら寿命です。サバイバル用途としては信頼性がゼロなので、修復しようとせず、買い替えを検討してください。特に靴は現地で壊れると遭難します。

保管方法の見直し

加水分解を遅らせるには「乾燥」が命です。

  • 使用後は完全に乾燥させる。
  • スタッフバッグにギュウギュウに詰めっぱなしにせず、ハンガーにかけて通気性の良い場所で保管する。
  • 密閉容器に入れる場合は乾燥剤(シリカゲル)を大量に入れる。

まとめ

道具は「持っている」だけでは機能しません。「使える状態にある」ことが重要です。 年末の大掃除は、ギアの健康診断をする絶好の機会です。自分と家族の命を守る道具たちが、まだ現役で戦えるか、厳しくチェックしてください。