【実験】水の備蓄、1年前のものは飲めるか?塩素の残留テストと浄水器による再生成
水は腐るのか?
水そのものは無機物なので腐りませんが、水の中に混入した不純物や雑菌が繁殖することで「腐った状態」になります。 日本の水道水には殺菌のための「塩素(カルキ)」が含まれており、これが残っている限りは雑菌は繁殖しません。 しかし、塩素は時間とともに抜けていきます。自家製の汲み置き水(ポリタンク水)は、果たしていつまで持つのでしょうか?
【実験】1年前の汲み置き水
冷暗所で1年間放置した水道水(ポリタンク入り)の残留塩素を、DPD試薬(プール等の水質検査で使うピンク色の薬)でチェックしました。
- 結果: 無色透明。塩素反応なし。
- 考察: 塩素は完全に消失しています。直ちに飲めないわけではありませんが、雑菌が繁殖しているリスクがあります。そのまま飲むのは推奨されません。
賞味期限切れのペットボトル水
一方、市販のペットボトル水(開封前)は、そもそも殺菌処理されており、無菌状態でボトリングされています(塩素は入っていません)。 期限切れから2年経過したものを確認しましたが、見た目も臭いも変化なし。 ペットボトルの期限は「計量法上の内容量が担保できる期限(蒸発して減るため)」という意味合いが強く、密封されていれば腐敗のリスクは極めて低いです。
古い水の「復活(リジェネ)」術
塩素が抜けた水や、長期保存水に不安がある場合は、以下の処理を行うことで安全に飲用・生活用水として使えます。
1. 煮沸(ボイリング)
最も確実な殺菌方法です。1分以上沸騰させれば、ほとんどの細菌・ウイルスは死滅します。カセットコンロがあるなら、お茶やコーヒー、カップ麺のお湯として使うのがベストです。
2. アウトドア用浄水器
「ソーヤーミニ」や「セイシェル」などの携帯浄水器を通せば、細菌やバクテリアを99.9%以上除去できます。 備蓄水の期限管理が面倒な人は、浄水器を一つ持っておけば、多少古い水でも(なんなら風呂の水でも)安心して飲めるようになります。
3. 生活用水への転用
飲むのが心理的に抵抗がある場合は、トイレ流し用、手洗い用、洗濯用に回します。 災害時、生活用水は飲み水以上に大量に必要になります。古い水は「宝物」です。絶対に捨てないでください。
まとめ
「期限が切れたから捨てる」は、水道が止まった世界ではあり得ない選択です。 沸かすか、濾過するか、洗うのに使うか。水には多様な使い道があります。 年末の点検で古い水が出たら、新しい水に入れ替えつつ、古い水は「トイレ用タンク」などに移してストックしておきましょう。
