都会の「ホワイトアウト」:視界5メートルの吹雪で帰宅困難になった時の、駅ビル避難行動
都市型の遭難は「帰り道」で起きる
北海道などの豪雪地帯だけでなく、普段雪の降らない都市部でも、急速に発達した低気圧により「ホワイトアウト(視界喪失)」が発生することがあります。 真っ白な嵐の中では、自分がどこにいるのか、どちらが駅なのか、道路がどこなのか全くわからなくなります(空間識失調)。 この状態で「家が近いから」と無理に歩き続けると、除雪溝に転落したり、車にはねられたり、あるいは力尽きて路上で凍死するリスクがあります。
生存のための「撤退・停滞」ルール
1. 視界が見えなくなったら動かない
自分の足元しか見えないような状況では、絶対に移動してはいけません。近くの建物、コンビニ、バス停の陰など、風を避けられる場所に一時退避し、嵐が弱まるのを待ちます。 ホワイトアウトは強風に伴って発生するため、風さえ止むか、風裏に入れば視界が回復することがあります。
2. 駅ビル・公共施設への避難
もし駅や商業施設が近くにあるなら、そこへ逃げ込みます。 交通機関が麻痺している場合、駅構内は「帰宅困難者」で溢れかえりますが、路上にいるよりは遥かに安全です。 無理にタクシーを待ったり、歩いて帰ろうとしたりせず、「今日はここで明かす」という覚悟(ビバークの決断)を早めにすることが重要です。
建物内でのサバイバル
駅のコンコースやビルの廊下も、夜間は冷え込みます。暖房が効いているとは限りません。
- 床に直接座らない: コンクリートの床は急速に体温を奪います。新聞紙、段ボール、持っているカバンなどを敷いて、お尻を冷やさないようにします。
- 風の通り道を避ける: 自動ドアの近くや、階段の踊り場などは冷気が流れます。壁際や、風が直接当たらない柱の陰などを確保します。
- 自販機の活用: 温かい飲み物を購入し、カイロ代わりにします(飲んで温まるのも有効)。売り切れになる前に確保しましょう。
装備の差が生死を分ける
冬の外出時は、常に「帰れなくなる可能性」を想定したEDC(Every Day Carry)ポーチを持ち歩くべきです。
- モバイルバッテリー: 情報収集と連絡の命綱。
- サバイバルシート: 薄くて軽いが、羽織るだけで暖かさが段違い。都市部でのビバークでも恥ずかしがらずに使うべきです。
- 高カロリー食: チョコレートや羊羹など。体温を維持する燃料になります。
まとめ
「あと数百メートルだから」という油断が命取りになります。視界が白い時は、そこはもう「街」ではなく「雪山」と同じデスゾーンです。 勇気ある「停滞」を選んでください。建物の中にさえいれば、凍死することはありません。
