雪道の「立ち往生」を生き抜く:マフラーの除雪を怠ってはいけない、一酸化炭素中毒の恐怖
無色・無臭の暗殺者
車が雪に埋まった状態でエンジンをかけていると、排気ガスが雪に阻まれて逃げ場を失い、車体の隙間からエアコンの吸気口などを通じて車内に逆流します。 排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)は無色無臭。気付かないうちに眠くなり、そのまま二度と目覚めることはありません。 福井豪雪などの大規模立ち往生でも、このCO中毒による死亡事故が多発しています。
生存のための鉄則
1. マフラー周りの除雪
どうしてもエンジンをかけて暖房を使いたいなら、定期的に(30分〜1時間に1回)外に出て、マフラー(排気口)周辺の雪を取り除かなければなりません。 雪が降り続いている時は、あっという間に埋まります。スコップを積んでいない車は、この作業ができずに詰みます。
2. 風下側の窓を少し開ける
換気のために、風が入ってこない側(風下)の窓を5cmほど開けておきます。これだけでも車内のCO濃度の上昇を抑えられます。
3. 一酸化炭素チェッカーの携行
キャンプ用の小型COチェッカー(数千円)を車内に吊るしておくと安心です。数値で見える化され、アラームが鳴ることで「換気が必要だ」と気付けます。
エンジンを切る覚悟
燃料の節約とCO中毒のリスク回避のためには、エンジンを切るのが最も安全です。 そのためには、エンジン(暖房)なしでも耐えられる防寒装備(毛布、ダウンジャケット、カイロ、雪用ブーツ)を車に積んでおく必要があります。 車は「鉄の箱」です。エンジンを切れば、外気温と同じ温度まで下がります。
まとめ
「寒いから暖房をつけたい」という本能的な欲求が、CO中毒という罠にかかる原因です。 雪道では「スコップ」と「防寒着」が命綱。これを持たずに雪国へ行くのは、酸素ボンベなしで海に潜るようなものです。
