【心理学】正常性バイアスを打ち破る:「来年も大丈夫」という根拠のない自信を捨てる訓練
心の安全装置が仇となる時
人間には、予期せぬ事態に遭遇した時、「これは大したことない」「すぐに元通りになる」と認識を歪めて、心の平静を保とうとする機能があります。これが「正常性バイアス」です。 日々のストレスから心を守るためには必要な機能ですが、災害時にはこれが「逃げ遅れ」の最大の原因になります。 特に、無事に一年を終えようとしている年末は、「来年もきっと平穏無事だろう」という根拠のない楽観主義に陥りやすい時期です。
バイアスを外す思考実験(What If?)
このバイアスに対抗するには、意識的に最悪のシナリオを想像するトレーニングが必要です。
1. 「もし今」地震が起きたら?
こたつに入ってテレビを見ている今、震度7が起きたら。 電気が消え、ガラスが割れ、食器棚が倒れてくる。外は氷点下の雪。 具体的に、色や音、寒さまでリアルに想像します。「自分ならどう動くか?」を脳内でシミュレーションします。
2. 「空振り」を許容するマインド
「逃げて何もなかったら恥ずかしい」「大袈裟だと思われたくない」。この同調圧力もバイアスの一種です。 「空振りでよかった」と思えることを誇りに思う練習をします。 避難訓練は、まさにこの「空振りの練習」です。
来年のリスクを直視する
科学的なデータ(地震発生確率や気候変動の予測)を改めて確認しましょう。 「確率が低い」ではなく「いつ起きてもおかしくない」と情報を読み替えます。 恐怖を感じることは、生存本能が正常に働いている証拠です。その恐怖を「備え」という行動に変換して解消することが、健全なメンタルヘルスです。
まとめ
「良いお年を」という言葉は、何もしなくても良い年が来るという意味ではありません。 「良い年にするために、リスクに備える」。その能動的な姿勢こそが、サバイバル・マインドです。
