冬の在宅避難:家の中で「テント」を張ると室温は何度上がるか?実録・リビング野営

家の中に家を作る「入れ子構造」

災害時、広いリビング全体を暖めるエネルギーはありません。そこで有効なのが「屋内テント」です。 キャンプ用のテントを室内(畳やフローリングの上、あるいはベッドの上)に設置し、そこで生活します。 外壁(家)+内壁(テント)の二重構造により、テント内の空気層が断熱材となり、驚くほどの保温効果を発揮します。

【実証】室温は何度上がる?

外気温0℃、暖房なしの室内(リビング)温度が5℃という環境で検証しました。

  • テント内温度: 大人2人が入り、入り口を閉め切って30分後、テント内温度は15℃〜18℃まで上昇しました。
  • 結果: 室温+10℃以上の効果。これは人の体温(約100Wの熱源相当)が狭い空間に留まるためです。

小型のドームテントや、自立式のソロテントが最適です。大型のファミリーテントだと空間が広すぎて暖まりにくい場合があります。

快適な「リビング野営」の設営テクニック

1. 床断熱はマスト

テントの床(ボトム)は薄いナイロン一枚です。フローリングからの冷気を防ぐため、必ずテントの下、および中に断熱材を敷きます。 銀マット、段ボール、ジョイントマット、ヨガマット、毛布など、あるものを総動員して「床からの冷え」を遮断します。

2. ポップアップテントの活用

本格的な山岳テントでなくても、公園で使うようなワンタッチテント(ポップアップシェード)でも十分効果があります。 特に、暖房効率を上げるために「コタツをテントの中に入れる(またはテントの入り口をコタツに突っ込む)」という荒技も、電気がある場合は極めて有効です(※火気厳禁)。

3. 結露対策

人の呼気と発汗により、テント内(特にシングルウォールテント)は強烈に結露します。 換気ベンチレーションを少し開けておくか、朝起きたらタオルで内壁を拭き取り、日中はジッパーを開けて乾燥させることが必須です。 放置すると、中の寝袋や衣類が濡れてしまいます。

プライバシーの確保

避難所で生活する場合でも、ポップアップテントは視線を遮り、プライベート空間(着替えや授乳、就寝)を確保するのに役立ちます。 精神的な「セーフスペース」としての役割も大きいです。

まとめ

「家があるのにテント?」と思うかもしれませんが、冬の停電時は「家の中にテント」が最強の防寒対策です。 子供にとっては秘密基地のような「遊び」要素にもなり、不安な避難生活のストレスを軽減してくれます。 持っているテントを一度、リビングで広げてみる予行演習(おうちキャンプ)を、この冬ぜひ試してみてください。