【低体温症(ハイポサーミア)】震えが止まったら最終警告!ステージ別の症状と緊急加温法
「震え」は体が戦っている証拠
人間は寒さを感じると、無意識に筋肉を震わせて熱を作ろうとします(シバリング)。しかし、体温がさらに下がると、この震えすら止まってしまいます。 「寒くなくなった」と感じたり、震えが止まったりした時は、実は低体温症が重篤化しているサインかもしれません。
低体温症は、深部体温が35℃以下になる状態を指します。災害時の避難所や、暖房の止まった自宅でも十分に起こりうるリスクです。
低体温症のステージと症状
- 軽度(35℃〜32℃):警告段階
- 激しい震え(シバリング)が起こる。
- 手足の動きがぎこちなくなる(細かい作業ができない)。
- 無関心、判断力の低下、口ごもる。
- 肌が青白く、冷たくなる。
- 中等度(32℃〜28℃):危険段階
- 震えが止まる。
- 意識が朦朧とする、眠気に襲われる。
- 錯乱状態、意味不明な言動(矛盾脱衣など)。
- 脈拍や呼吸が弱く、遅くなる。
- 重度(28℃以下):生命の危機
- 昏睡状態。
- 呼吸や脈拍がほとんど感じられない。
- 瞳孔散大。心停止のリスクが極めて高い。
サバイバル環境での対処法(加温)
基本は「これ以上熱を逃がさないこと」と「優しく温めること」です。
1. 熱損失の防止(Passive Rewarming)
- 濡れた衣服の除去: 濡れた服は体温を急激に奪います。速やかに乾いた服に着替えさせます。
- 風の遮断: 風が当たらない場所に移動し、サバイバルシートや毛布で包み込みます。地面からの冷気も遮断します(段ボールやマットを敷く)。
- 帽子の着用: 頭部からの放熱を防ぎます。
2. 外部からの加温(Active Rewarming)
- 体幹部を温める: 湯たんぽ(ペットボトルにお湯を入れたものなど)をタオルで包み、脇の下、太ももの付け根(鼠径部)、首の後ろなどに当てます。
- ※注意: 手足などの末端を急激に温めてはいけません。冷たい血液が心臓に戻り、深部体温がさらに下がる「アフタードロップ」現象や、ショック状態を引き起こす危険があります。
3. 内部からの加温
- 意識がはっきりしていて、飲み込める状態であれば、温かく甘い飲み物(ココア、砂糖湯など)を少しずつ与えます。
- カフェインやアルコールは避けます(血管拡張や利尿作用により脱水を招くため)。
まとめ
低体温症は「震えが止まった時」が本当の恐怖の始まりです。軽度の段階で異変に気づき、早急に対処することが生死を分けます。 特に高齢者や子供は体温調節機能が弱いため、室温が下がったときは特に注意深く観察してください。
