【衣類の選択】綿は「死の素材」?冬こそポリエステルとウールの二段構えが命を救う理由
「Cotton Kills」の意味
欧米のアウトドア・サバイバル界では「Cotton Kills(綿は殺し屋)」という言葉常識となっています。 普段着として肌触りの良いコットン(綿)ですが、冬のアウトドアや災害時(暖房のない環境)においては、最も避けるべき素材です。 その理由は「濡れると乾かず、体温を奪い続ける」という性質にあります。
汗冷え(濡れ戻り)の恐怖
人間は寒くても、動いたり緊張したりすると汗をかきます。 綿の肌着は汗をよく吸いますが、発散する力が弱いため、繊維の中に水分を溜め込み、いつまでも濡れたままになります。 水分は空気の25倍も熱を伝えやすいため、濡れた肌着が皮膚に張り付いていると、体温が急激に奪われ続けます(気化熱+熱伝導冷却)。 これが「汗冷え」であり、最終的には低体温症を引き起こし、死に至る原因となります。
最強の組み合わせ:ポリエステル × ウール
冬を生き抜くためには、以下のハイブリッドな重ね着(レイヤリング)が最強の解です。
1. 肌着(ベースレイヤー):ポリエステル等の化繊
- 役割: 肌から汗を引き剥がし、外側に移動させる。
- 特徴: 吸水性が低く、速乾性が高い。汗をかいてもすぐに乾き、肌をドライに保つ。
- 商品例: スポーツ用の速乾インナー、登山用ベースレイヤー、ヒートテック(※ただし、ヒートテックに含まれるレーヨンは乾きにくいため、大量に汗をかく活動時や極寒環境での停滞には向かない場合がある。アウトドア専用の「ジオライン(モンベル)」や「ドライレイヤー(ファイントラック)」などが理想)。
2. 中間着(ミドルレイヤー):ウール(メリノウール)またはフリース
- 役割: 汗(水蒸気)を通過させつつ、暖かい空気を溜め込む(保温)。
- ウールの特徴: 天然のエアコン素材。「吸湿発熱」性があり、濡れても保温力が落ちにくい(これが綿との最大の違い)。防臭効果も高いので、何日も風呂に入れない災害時に最適。
災害時の着替えルール
もし災害時に綿の肌着を着ていて、少しでも汗をかいたり濡れたりした場合は、躊躇なく着替えてください。 乾いた服に着替えるだけで、体感温度は数度上がります。 避難用リュックに入れる肌着は、絶対に「化繊」か「ウール」のものにしておきましょう。古くなったスポーツTシャツでも、綿の新品肌着よりは遥かにマシです。
まとめ
「たかが服の素材」と侮るなかれ。極限状態では、素材の選択が生死を分けます。 冬の備えとして、家族分の「非コットン」の肌着セットを確保しておくことは、食料備蓄と同じくらい重要な生存戦略です。
