Improvised Flotation

【着衣泳】服を「エアバッグ」に変える技術

脱ぐ必要はない。その布の隙間に「空気」を引き込め

Logic: 布が空気を保持する「表面張力」を利用せよ

サバイバルにおいて、靴や服を脱ぐ行為は極めて体力を消耗し、かつ沈むリスクを高めます。濡れた布は水を通しにくくなる(含水膨張)ため、内部に空気を送り込むことで一時的な「浮き輪」として機能します。この数リットルの浮力が、あなたの鼻先を水面上に保つ境界線となります。

Method: 衣類別・空気注入プロトコル

Case 1: Tシャツ・ポロシャツ首元をしっかりと手で握って閉じ、裾から息を吹き込む、あるいは水面上に出してバシャッと空気を「叩き込む」ようにして背中側を膨らませます。背中に巨大なコブができるような状態になり、仰向けで浮きやすくなります。
Case 2: ズボン(ジーンズ・ジャージ)ズボンを脱ぎ、両足の裾をそれぞれ結びます。腰のあたりを水面で大きく振り回して空気を入れ、それを反対側に抱え込むようにします。即席の「V字型浮き具」の完成です。
Case 3: ビニール袋やポリ袋(携行品)ポケットにレジ袋が入っていれば、それこそが最強のツールです。空気を入れ、口を結んで胸元に入れれば、ライフジャケットと同等の浮力を得られます。

Maintain: 浮力は「抜ける」ものと心得る

布から空気は徐々に漏れていきます。しぼんできたら再び空気を送り込む「追い空気」が必要です。この繰り返しを、落ち着いたリズムで行うことが生存への鍵です。靴は無理に脱がず、そのまま浮力の一部(あるいは保温)として活用するのが現代の着衣泳のスタンダードです。

Buoyancy from Any Resource. Hold your Ground.

絶望は重力と同じ。だが、一呼吸の空気が物理法則を書き換え、あなたを明日へと押し上げる。